公共施設で働こうと思う方へ
公共施設が求人を出している。
そういうことがたまにあります。
ですが、安易に受けてはいけません。
ほとんどの公共施設の多くは民間に管理を委託しているのが現状です。
それを理解して、受けることが重要です。
大多数の公共施設の職員は公務員ではない
早速ですが、これを理解している人が何人いるでしょうか。
まずおかしいということに気が付く必要があります。
何故公共施設を管理している都道府県や市町村じゃなくて、公共施設が人を募集しているのか、です。
言っている意味がわかるでしょうか。
公民館とかはそうですが、一度都道府県や市町村が求人をし、そこから人が異動で配属される形になります。
ですが、体育館や文化施設のほとんどはコストカットという名目で管理を委託している都道府県や市町村が大多数です。つまり、体育館や文化施設の職員はほとんど公務員ではありません。本当の公務員で運営されているのは本当に一握りです。
これを指定管理者制度といいます。
そのため、求人の会社名をよく見る必要があります。
きっとほとんどが財団法人〇〇など、市町村名ではないと思います。
財団法人のからくりを理解する
先ほど指定管理の話をしましたが、これはほとんど財団法人に委託されています。
財団法人というと、なんかお金がありそうな感じがしますが、ありません(笑)
財団法人というのは都道府県や市町村が出資して作られることが多いです。
つまりお役所が作る下請け企業みたいなものです。
お役所のお金で運営されているのでお給料はお役所の同クラスより絶対に上がりませんし、お役所が下がれば下がります。全てはお役所次第、ということになります。
指定管理者制度の罠
都道府県や市町村が出資しているなら潰れなくて安泰じゃない?公共施設はなかなかなくならないし。
と考えている方がいるかもしれませんが、それもまた大きな間違いです。
指定管理者制度とはお役所が作った都合のいい制度です。
ほとんどが5年という期限を持ち、新たに管理委託する企業を募集します。
つまり、5年後に同じ仕事が出来るという保証はありません。
もっと言えば、5年後同じ会社があるとも限りません。
特に財団法人の場合は指定管理が取れないと消滅する可能性すらあります。
それは例え正職員といえど例外ではありません。そうなると路頭に迷います。
と、いうことは指定管理が取れないとなくなってしまいます。それは避けたいですよね。
それは当然委託をするお役所側もわかっていますから、管理を委託するにあたって支払う指定管理料を毎回下げてきます。現状維持すらほとんどありません。上がることはない、と言い切ってしまってもいいレベルです。改修でメンテ料が上がれば上がるかなといったくらいです。
ですが、結果は前回以上に出す必要があります。でなければ更新してもらえず自分の職場がなくなってしまいますから。怖いですね。
近年はPFI(Private Finance Initiative)と呼ばれる手法も頭角を現しており、施設の建て替え等でこれが導入されると自治体出資の財団法人では建て替え後の管理が受けられないこともあります。
問われる職員の質
さて、指定管理料が下がるということは、委託される業者側も何かしらで予算を削減する必要があります。
ですが、メンテナンスもしなくちゃいけないし、事業の質も下げられません。
となると・・・人件費です。
ほぼ全ての財団法人の職員は全てが正職員ではありません。1年契約の非常勤職員が1/3を超えるところがほとんどです。
そして契約職員に正職員並みの労働を強いるところがほとんどです。
正直契約職員の方がいなければ回らないところも多いでしょう。
酷いところは管理職だけ正職員で後は全員契約職員・・・なんてところも。
そこに「お前ら公務員だからしっかり働けや」という心ない言葉を投げられることもあります。実際は上記の通り、公務員ではないんですけどね。
でも先述の通り、財団法人はお役所の出資で出来ているので、税金が入っていることは確かです。
そのため、間違ってはいないのですが、でも給料は公務員よりも低く、将来も暗い・・・ちょっと精神的ダメージは大きいかもしれません。
それでも受けたい、という方へ
この現状を知っても受けたい、という方はよっぽど好きなことがあるんだと思います。
何でもいいからスポーツに関わりたい、とか、文化に関わりたい、とか。
そういう人たちを止めはしません。その熱意を施設側は歓迎してくれるでしょう。
現状は正直厳しいですが、もしかしたら今後情勢が変わることがあるかもしれません。
それまで粘るのもアリかと思います。