玉掛け技能講習を受講した結果、落ちる人は落ちる

さて、現役時代会社の指令で玉掛けの技能講習を受けることになりました。

今回はその感想をお送りします。

 

玉掛けの技能講習とは?

玉掛け - Wikipedia

クレーンに物を吊るために必要な資格をとるための講習です。

この資格をもった人を玉掛作業者と呼びます。

玉掛作業者 - Wikipedia

ちなみにこれ、国家資格です。国家資格と言うと一気にハードルが上がる気がしますね。

でも当時の上司に聞いたところ、

「日本一簡単にとれる国家資格」

「寝てても余裕」

「落ちるやつなんか聞いたことない」

と結構明るい兆しが。ハードル上げすぎとも思いましたが・・・

まあでもそれなら大丈夫だろう。

と思った反面ネット上では。

「落ちていた人いた」

「普通は落ちないが絶対ではない」

と落ちるときは落ちる模様。

Twitterでも

こういうの見るとちょっと不安・・・

 

受講スケジュールと講義内容、学科試験は?

日程も地味にハードです。

【学科】

第1日 9:00~17:15 クレーン等の玉掛けの方法(7時間)

第2日 9:00~16:10 力学(3時間)/クレーン等に関する知識(1時間) /関係法令(1時間)/学科修了試験(1時間)

【実技】

第3日 8:30~17:30 クレーン等の玉掛け(6時間)・合図(1時間)/実技修了試験(1時間)

全部で3日、フルタイムの長期戦です。

恐らくこれが必要な方々は現場仕事が大多数だと思いますので、机に長時間座ることはかなり辛いと思います。私もそうでした。

実際相当キツかったです。特に私自身学生時代、数学と物理は赤点連発だったので学科試験はめちゃくちゃ不安でした。

 

更に事前説明で

「学科試験で大問毎に規定点を取らなければ不合格だが僕も鬼じゃない。実技が合格していればやり直しさせる。逆に実技試験が不合格だったら即失格だ」

との脅しフレーズ。なんだこれめちゃくちゃ難しそうじゃないか誰だ寝てても受かるって言ったの。

しかもテキストも初日に配布されました。

試験あるなら真面目に予習しとくから事前にくれよ!と思いました。

ですが、安心してください。

学科試験については講師の先生が「ここ重要ポイントですのでアンダーライン引いておいてくださいねー」と優しく教えてくれました。

居眠りさえしなければ、学科試験は記憶力との勝負です。

基本的に選択問題ですが、計算問題もあります。私の時は重心の位置を求める計算問題でした。こう聞くと難しそうですが重要ポイントを聞き逃すことさえなければ問題はないと思います。

 

実技試験の内容は?

問題は実技です。

何せ手順が複雑です。

物体の説明をして、ワイヤーロープを選定し、補助員に巻き方と手順を説明し、クレーンに指示。

クレーンのフックにワイヤーを取り付け、確認。

補助員を退避させ、ワイヤーがピンと張るくらいまで上昇させ、しっかり吊れているか確認。

その後地切りを行い、重心を確認。

確認したらクレーンに指示をして吊り上げ、移動します。

移動先を指示し、ジブ上げ等で微調整を済ませ、地切り直前まで降下。

退避させていた補助員を呼び、物体をぶれないように支えてもらう。

クレーンに指示をし、ワイヤーが緩むギリギリまで降下。

無事降下しきったら歯止めをかけて、転がらないのを確認し、補助員を退避させる。

退避させたらワイヤーが緩むまで降下させる。

フックからワイヤーを外し、フック上昇。

クレーン作業者に作業終了の指示。

物体からワイヤーを外し、巻く。

ブレないように留めて、完了。

これを午前と午後に合わせて3回ほど練習して、本番となります。

ちなみに補助員も受講生が行います。つまり、自分自身も補助員として他人の試験に携わります。これはこれでかなりの緊張感があります。

 

講座を受ける前は何を言っているのかわからないと思いますが、これを頭に入れてイメージしておくだけでだいぶ違います。

Youtube等で映像を見るとよりわかりやすいと思います。

個人的には何度か見ておくことを推奨します。

当日初めて見るのと事前に見ておくのとでは、やはり事前に見た方が心に余裕が生まれ、当日作業をテキパキ行うことが出来ます。

 

 

さて、これが実技試験の一部です。まだあります。

実技なのにペーパーテストがあります。学科試験とは別です。なんでだよ。

これはあらかじめ準備された物体の質量を求めたり、特定の状況で最低限必要なワイヤーの太さを求める問題があります。

曲者なのが物体の質量を求めるもの。

これは実際の物体の質量を計算するのですが、メジャーが使えない。

使えるのは自らの身体のみ。

どういうことかというと、目測で長さを計測します。そんな現場あるのか。

ですので、手のひらをパーにした時の親指から小指までの距離が何cmかを知っておくと便利です。

私の時は円柱に見立てたドラム缶と長方形の物体、あと凸の形をした物体でした。

ワイヤーの太さの問題は私の会場ではテキストを見てもOKでした。どこの会場でも多分同様だと思うので問題ないと思います。はっきり言ってそんなのやったことないのに1日2日でテキスト見ずに解けるわけがない。

 終わりに

以上が玉掛け技能講習の主な内容になります。

なお、結果は無事合格でした。

受講した感想としては、普通は落ちませんが、だからといって余裕ぶっていると落ちます。

会場によっては受かるまでやらせてくれるところもあるそうです。つまり、落ちるところは落ちます。落とされます。何故そこは全国統一じゃないんだ・・・国家資格だろ・・・

 

2万円以上の経費がかかりますし、上司も恐らく「余裕で取れるから気楽に行ってこい」と発破をかけてくると思うので、落ちたら会社内の立場も危うくなりかねません。アイツは玉掛けに落ちた、とか言うアホなやつは絶対います。

言うやつがアホなのか、落ちたやつがアホなのかは別の話です。

たかが3日間、真剣にしていれば絶対に取れるので、頑張ってください。

 

なお、最後の最後にあれですが、当時の私の仕事は舞台関係の仕事で建設業ではないため、今回の試験で初めてクレーンのフックに触りましたし、周りの方々は当然建設業の方ばかりでアウェイ感半端なかったです。

服装からして場違い感がエゲつなかったし、講師の方に「玉掛けいるの?」と言われてしまう始末。

その分テキストは家に帰ってからもすごく読みましたし、付箋は付けましたし、実技試験の前はYoutubeで動画を何回も見ました。

そんな私でも受かることが出来たので、このブログを見た方は絶対に受かります。大丈夫です。

もし質問等ありましたらご連絡ください。ご協力させていただきます。

ここまでご覧頂いてありがとうございました。